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2015年11月 1日 (日)

飯田市 小笠原家書院・資料館 

 飯田市の天竜峡の近くに、国の重要文化財になっている江戸時代の旗本の屋敷があると聞いて、見に出かけた。

 道路沿いの駐車場に車をとめて住宅街を抜け、少し小高い所にある屋敷跡へと階段を上って門をくぐると、広場の向こう側にあるガラス張りの超現代風の建物に圧倒される。場所を間違えたかと思って、引き返すために門の方へ向き直ると、右手にある古びた建物が目に入った。

 やっぱりここで良いのだろうと思いなおして超現代風の建物をよく見ると、建物のまんなかあたりの地面すれすれの位置に受付らしい窓が見えた。中をのぞいたが誰もいない。試しにガラスをコンコンと叩いてみたら、奥から年配のおじさんが現われた。

 入館料を払うと、その受付のおじさんが門のわきの古い建物を案内してくれた。明治になって武士が没落していく過程で家財道具が散逸し、建物が取り壊されていった。屋根をトタン葺きにしたこの建物は雨をしのげたので、かろうじて残ったという。飯田市が管理するようになり、数年前に数千万円かけて元のようにヒノキの板葺きに修復されていた。

 残っていたのは主人が客の接見に使った二間と、それを取り囲む内縁と、その裏側にある板の間の作業場だった。畳の二間の欄間と、内縁の欄間が美しかった。私は欄間が好きみたいだ。欄間というより、住まいを飾るための幾何学模様かもしれない。

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 実はここへ行ったのは、資料館に貝合わせの貝が展示してあると聞いたからだった。しかし、超現代風の資料館に行って探したが、合わせ貝は置いていなかった。受付のおじさんに尋ねてみたところ、持ち主が引き上げてしまったということだった。残念。

 超現代風の資料館は、小笠原家の子孫の妹島和世という建築家が建てたものらしい。飯田市のホームページでは書院造の建物にしか触れていないので、重要文化財の隣に建てるものとしてふさわしくないと考える人がいるのかもしれない。良い意味でも悪い意味でも昔ながらの意識が強く残る地域なので、そういうこともあるだろう。


旧小笠原家書院
https://www.city.iida.lg.jp/site/bunkazai/ogasawarashoin.html

小笠原資料館
http://www.arcstyle.com/nagano/ogasawarashiryokan.html

 
 

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