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2011年7月

2011年7月13日 (水)

第12回 市民談義所 参加

2011710日に、7ヶ月ぶりに談義所が開催されました。東北の地震があったりして、国交省のみなさんはきっと大忙しだったのではないかと思います。開催の6日前に案内をもらったのですが、宮崎海岸侵食対策案が発表されるということで、ちょっとドキドキでした。その「案」は、一ツ葉から住吉にかけて、300mのI字型突堤1本、150mの補助突堤1本、50mの補助突堤1本の合計3本を作るという計画でした。住吉付近に突堤を作っても、その北側の大炊田や二ツ立の砂浜はかえって侵食が進むかもしれないのに(富田浜のようにたまるかもしれないけれど、富田浜の導流堤の南には一ツ瀬川が流れている。一ツ葉に計画されている300m突堤の南には川は流れ出していない)、二ツ立に住んでいる男性が、海の脅威から守るために早く突堤を作ってほしいと強い語調で発言していました。石崎川のほとりに住む女性は、津波が来たときに波の勢いが割れて、川沿いに被害が広がるから、そんな突堤は絶対作ってほしくないと、激しい口調で抗議していました。

市民談義所は、データに基づいた議論をする場だったのだと思うのですが、大きな声で発言したものが勝ちみたいな異様な雰囲気でした。データに基づいた議論をするためには、小さなテーマの勉強会を丁寧に積み重ねていく必要があると思いますが、主催者も参加者も結論へ向けて一足飛びみたいな雰囲気です。「海岸が荒れる」というのは、こういう状況で起きるのかもしれないと感じました。

不知火海・球磨川流域圏学会研究会

2011611日、熊本県八代市 やつしろハーモニーホールで開催されました。

基調講演 「八代の干拓の歴史」

   戸田市治氏 (八代市文化財保護委員長) 

研究発表  

 1)河川環境がヌマエビ類に及ぼす影響 

      田畑清霧(東稜高校教諭)及び

        県立八代高等学校生物研究部

 2)荒瀬ダムに関する資料分析 

      溝口隼平

       (東京大学愛知演習林農学共同研究員)

 3)球磨川河口干潟の底生生物生物の特性

      つる詳子

       (自然観察指導員熊本県連絡会副会長)

 4)宮崎の海岸林と砂丘と砂浜

      林裕美子

       (ひむかの砂浜復元ネットワーク代表)

 5)アマモ苗の移植機の開発について   

      大和田紘一(東京大学名誉教授)

 6)麦島勝氏の写真に見る八代の自然・歴史 

      石原 浩(八代市立博物館学芸員)

どの発表も、自分で調べたことを元にした話なので、説得力がありました。私は、2月と3月に宮崎で話した砂浜の市民調査の成果を話して来ました。太平洋という外海に面した砂浜は、あまりなじみのないものだったようですが、簡単な調査でも、専門家にはわからないことがいろいろ見えてくることがわかってもらえたかもしれません。

第3回 赤江浜海岸作りフォーラム

2011218日、宮崎市武道館で開催されました。赤江浜を守る会の長野さんが、写真を使った定点観測の成果を発表。私は、25日のシンポジウムで話した富田浜で台風前後に砂がどれくらい移動するかを観測した成果を発表しました。赤江浜の古い写真(1980年頃)を持っていたので、その砂丘が、今は護岸になってしまった様子もスライドでお見せしました。海岸林の中にゴルフ場を作り、宮崎東病院の代替地として砂丘を畑として払い下げ、畑を守るために松を植林し、松林を守るために護岸を作り、空港滑走路に砂がつかないように突堤を作り、護岸の代わりに人工リーフを作った結果の砂浜です。昔の面影もない砂浜ですが、それでも、もっとよい海岸にするためにはどうしたらよいかと、やっとみんなで考え始めています。

第4回 宮崎の海岸シンポジウム

2011年2月5日に、住吉海岸を守る会が主催で行なわれました。

講演1 「宮崎海岸で行なわれている侵食対策」

小澤盛生(国土交通省宮崎河川国道事務所海岸課)

講演2 「自分で見て歩いて調べた宮崎海岸」

  林裕美子(ひむかの砂浜復元ネットワーク)

講演3 「海と人の繋がりを通し、今の問題点や私たちに出来る取り組み方」

  芝本聖子(日本の海岸を守る会)

総合討論 「自然な砂浜は取り戻せるか?」

侵食対策というと、砂浜に何か砂の動きを止める構造物を建設することを意味することが多く、宮崎海岸でも構造物で対処する方向に進んでいきそうですが、本当に砂は海中へ失われているのか、台風で持っていかれてもすぐに戻ってくるのではないか、砂丘に作った道路や植えた松林の中にたまっているのに、護岸を作ったために内陸へ砂がためこまれたままになっているだけではないのか(ビーチサイクルの切断)、ということを確かめようという市民調査の話を私がしました。九十九里の一宮海岸からきていただいた芝本さんは、砂浜が、昔から人の生活の場の重要な位置を占めていたことを資料を使って説明くださり、侵食が進む砂浜でも、イベントを通して地域の人たちが海岸に親しむ様子を紹介してくださいました。総合討論の前には、溝口晴智さんが、昔の一ツ瀬川の話をしてくださり、安藝國宏さんが間伐材を使って砂を堆積させる装置の話をしてくださいました。

 質疑応答では、津波対策も考えた侵食対策をするべきではないかという意見も出ました。一ツ葉の幅の広い松林は、おそらく江戸時代から津波対策も兼ねて維持されてきたもので、その中に道路、ホテル、ゴルフ場を作ってしまった現在、そうした松林の中の施設を守るための10mもの護岸が必要かどうかという議論から始めなければなりません。また、宮崎の海岸は、全体が隆起しているのに、侵食問題が一番顕著な大炊田、二ツ立の海岸だけが沈下しているという事実にも目をつぶるわけには行きません。何か構造物を作れば、ハイ終わりという類の問題ではないので、息の長い活動が必要です。そして、息の長い活動のためには、その土地に愛着が必要です。

2010年の侵食対策の進捗状況

昨年から『砂』という本の翻訳に没頭しているあいだに、宮崎海岸の侵食対策の検討は、少しばかり進展がありました。その都度お知らせしたほうがよいのはわかっていたのですが、ブログの記事を書くというのは、なかなかエネルギーがいるもので、砂で頭がいっぱいで手が回りませんでした。今頃になってしまいましたが、以下のものについての概要をまとめてご報告します。議事録は、国交省の担当者の方がHPに掲載してくれているので、そちらをご参照ください。検討委員会のページには、詳細な資料(地図なども)も掲載してくれています。

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/index.html

2010822日 市民談義所 

検討委員会のメンバーと海岸の現場での談義でしたが、私は海外出張のため不参加だったので、これの報告は省略します。

2010930日 第5回技術分科会 傍聴

侵食対策の3つの基本方針が示されました。

①(一ツ瀬川から石崎川にかけて)北からの沿岸方向の流入土砂を増やす

②(住吉・一ツ葉)南への沿岸方向の流出土砂を減らす

③(全域)急激な侵食を抑制(浜崖位置の後退抑制など)

分科会委員長が、この3つについては異存はありませんねと、わざわざ他の委員に念を押していましたので、検討委員会でもめなければ決定ということになります。

具体的な工法としては、養浜、護岸、突堤、離岸堤、潜堤(人工リーフ)、消波ブロック(テトラ)の壁などが挙がっていました。どれにするかはこれから検討していくということでした。

会議後に委員の方に尋ねたところ、これまで侵食対策の検討項目として挙がっていた海岸林の後退や施設の後退(セットバック)、あるいは地盤沈下対策は、現在設置されている検討委員会で検討していく内容ではないということでした。

20101019日 第10回 市民談義所

9月の技術分科会の説明でした。内容が結構高度なので、一般市民に短い時間でそれを説明して、いったいどんな談義をさせるつもりなのだろうと思いました。市民から意見を集めたのはよかったのですが、それが採用されました、されませんでしたという説明会のようでした。

これまで、行政が開催するこうした会議は、すでに決まったことを一方的に説明する場合が多かったので、この談義所もそういう性格のものだろうと勘違いしている人は多いと思いますが(市民も、もしかすると行政担当者も)、本来は、砂浜環境とは何かを勉強した上で地元の浜をどのようなものにしていきたいかという建設的な議論を発展させる場です。毎回新しい人が参加するので、そういう人には、これまでの知識や議論の積み重ねをわかりやすく記録した冊子でも渡して、いつも、一から談義所のルールを説明するところから始めなくても良いようにしてはどうかと言っているのですが、主催・計画する人たちがそこまでできないか、そういう方向へ持っていきたくないか、どちらかなのだと思います。

2010114日 第8回 宮崎海岸侵食対策検討委員会 傍聴

9月の技術分科会の内容を、検討委員会の委員に伝える内容でした。工法決定の責任者は国交省ですが、決定するにあたり、ここで出た意見が、一番考慮されるはずなので、もっと委員はいろいろ意見を言ったほうがよいと思うのですが、みなさんおとなしい方たちばかりです。波風を立てないほうがよいといっているうちに、砂浜が構造物で埋まります。

そうした中で、学術関係者の委員の一人が、抜本的な対策を考えるなら、宮崎港の防波堤をどうするかということも議論するべきではないかと発言したのですが、委員長も、他の委員も、それは終わった問題だからみたいな感じで意見を封じ、直後に休憩が15分入って、休憩後に議論が再開されることはありませんでした。

砂浜侵食はあの防波堤が引き起こしていると信じる人も多く、海岸を見放してしまった地元住民もたくさんいるのにもかかわらず、宮崎港の防波堤の弊害にふれることは、今までタブーに近いものがありました。防波堤の弊害(砂丘に道路を作った弊害も)をきちんと検証して、しっかり議論して納得して、侵食された浜でも自分たちの海岸を大切にしていこうという気持ちが住民の間に芽生えたほうが、将来の地域社会にはプラスになると思うのですが、そういう議論が一切なされないので、住民の意識は逆の方向へ進んでいるように見えます。

2010129日 第11回 市民談義所 参加

11月に行なわれた検討委員会の説明会でした。内容は、9月の分科会とほぼ同じでした。参加者は増え続けていますが、ほとんど何も質問なさらない、意見もおっしゃらないので、私がせっせと質問を考え出して、どこが問題なのかを自分でも納得しようとしました。私ばかりが発言することに対して苦情をおっしゃっているかたもいましたが、私の意見に対する意見を発言してほしかったなと、ちょっと残念です。

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