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2010年3月

2010年3月27日 (土)

第8回市民談義所 参加報告

談義所では「意見発表」は行なわれるのですが、「談義」をする場になっていないのが気になります。2009323日(火)19:0021:00に佐土原総合支所で開催された内容を簡単にご報告します。

 

◆談義所の役割、談義のルールの説明

 いつものルール説明でした。このルールを使って談義をしてみたいです。

 

◆委員会、技術分科会の報告

 技術分科会と検討委員会の説明でした。

 

◆これからの談義のために理解しておきたいこと

 何でもよいから、質問や意見や提案などを、小さな紙に書いてボードに貼るというものでした。時間猶予は10分。考えて何か書くには時間が短すぎました。紙も小さすぎました。海岸勉強会の時代から合わせると20回以上開催されてきているのに、どうしてまた最初の頃と同じことをするのか不思議でした(またたくさん書いて貼りましたが、工法についてのことは、談義しないで技術分科会へ直接意見があげられるようです)。これまでの積み重ねがもう少し生かされるとよいなと思います。

 

◆市民による意見発表

 飛松さんが、とても魅力的な発表をなさいました。砂浜を保全して、それをどのように利用していくのかを考えていかなければならないとおっしゃったのが印象に残っています。少し前に、仲間内でもそういう話をしたことがあるのですが、砂浜に行きたい!と思わせるような砂浜にする必要があると思います。地引網漁もいいですが、それが単発的なイベントで終わってしまっては意味がありません。砂浜に行けば人に出会えるというのがいいと思います。このあいだは、中学生が部活のトレーニングをしていました。そういえば昔は小学生が遠足に来ていたはず。コンクリートの護岸や突堤では難しいと思います(消波ブロックについているカキを採っている人たちに会った時は話が弾みましたが)。

 

◆「宮崎の海岸をみんなで美しくする会」の活動報告

 会長の池内さんが、これまでの活動の経緯、検討事項などをご説明くださいました。314日のビーチクリーンには大勢の人が集まったそうです。会では「たくさんの人に海岸への関心をもってもらうためにはどうしたらよいだろうか?」という言葉が頻繁に出るそうです。港の防波堤が出来てから、あきらめてしまった人がたくさんいるように思います。防波堤が出来ても砂浜は大丈夫だよとメッセージを伝えていかなければなりません。

 

 

2010年3月26日 (金)

球磨川河口の干潟調査

 球磨川の荒瀬ダム撤去が確定しました。水門を開けると土砂が流出します。河口の干潟にどのような影響が出るかを調べてみたいという人たちが、村上哲生先生を招いて勉強会を開きました。干潟の簡易測量もしたいということだったので、砂浜調査の方法を伝えに私も同行させてもらいました(319日~20日)。

 

 球磨川の河口は八代市にあり、河口近くの左岸には干潮時に干潟が広がります。3mくらいの潮位の変化で長さ3kmの干潟が出現します。干潟の一番上流からは、先端が見えませんでした。

 

 干潟は砂浜と違って土砂の粒径が小さいので、泥の浜だということは頭でわかっていたのですが、膝までの長靴が、ずぶずぶずぶと泥に沈む柔らかい干潟でした。青島の近くの加江田川や、串間の本城川の干潟とは様子がずいぶん違いました。「水脈筋(みおすじ)」という水路があり、そこは粒子が粗いので(泥よりも砂が多い)、堅く締まって歩けました。潮が引くときに引き遅れた水が通る部分だそうですが、広い干潟のそこだけ人が歩ける固さになるのが不思議でした。

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 まずは、砂の粒径を測るサンプルを採取しました。直径5cmくらい、長さ5cmくらいの筒(蓋と底が取り外せる)を泥に押し込んで(蓋を閉めたときに泥が一杯になるまで)、底にあたる部分を下敷きのような板で切り取って持ち上げ、円筒の中味をビニール袋に移しました。目の細かさが違う篩(ふるい)のセットがあって、粗い目の篩から順番に泥を通しました(裏ごしの要領)。篩は6種ありましたが、それぞれの篩に残った粒子と、一番細かい篩の目を通った濁り水を乾かして重さをはかり、砂(泥)の粒子の大きさの分布を調べるそうです。

 

 そのあと、簡易測量の練習をしました。川の護岸の頂上部を起点にして、川の中心部方向へ測量してみました。水脈筋を横切るようにケンナワを置いたのですが、水脈筋をはずれると、普通の長靴では身動きがとれなくなります。田植え用の長靴を持っている人が何人かいたので、次回はそれでやってみるそうです。水平線を基準にして地面の落差をみる測量ですが、宮崎と違って八代は対岸に陸があります。この時は、陸がない部分が使えるように測量線を設定しましたが、対岸の陸が十分に遠ければ、陸と水面の境を水平線に見立てて出来ると思います。潮が満ちてきたので、30mほどで終わりにしましたが、最後の10mほどは、落差はゼロでした。まっ平らということです。荒瀬ダムの水門を開けたら、どれくらい砂が積もるのか、楽しみです。

 

 早朝の干潮に合わせての勉強会でした。4時半に起きて、暗いうちに出かけて行ったのですが、みんなで泥と格闘している脇を、干潟の先端でアサリを採った人たちが帰って行きました。大粒のおいしそうなアサリでした。

 

 

2010年3月25日 (木)

砂浜調査のミニ勉強会

 全国各地で市民調査をなさっている村上哲生先生が宮崎へ来てくださいました。名古屋女子大学の教授で、日本自然保護協会の理事をなさっています。せっかくの機会なので、私たちの砂浜調査の概要をご紹介し、市民調査のことを教えてもらう勉強会を開催しました(2009318日)。直前に日程が決まったので、ほんの内輪の勉強会になりましたが、もっとたくさんの方に聴いてもらいたい内容でした。スライドのファイルをいただいたので、それを見返しながらのご報告です。

 

 なぜ市民が時間と労力をかけて調査をするのでしょうか。調査は、行政や研究者の仕事だと思っていませんか?市民にはまともなデータは取れないと思っていませんか?保護・反対運動といった市民活動の本筋ではないと考えていませんか?調査は本来、環境を壊した者、壊そうとする者の義務ですが、市民調査を行なうことで正確な現状把握ができ、市民が行政と共通の議論の場を持てるようになり、新しい課題を発見できます。

 

 河口堰建設が問題になった長良川は、「最後の自然河川」「清流」と言われましたが、本当にそうなのか。諫早問題では本明川は有明海の大事なケイ素供給源だと言われましたが、本当にそうなのか。丁寧にデータを集めて現状認識が進みました。行政も市民も、思い込みは少なからずあるのですが、あやふやな思い込みを元にして討論は進みません。

 市民と行政が共通の議論の場を持つためには、データの公開が必要です。長良川河口堰問題当時は、まだ行政データの公開は一般的ではありませんでしたが、市民がデータを出すことで行政もデータを公開せざるを得ない状況を作り、10年にわたってデータ公開合戦を繰り広げました。また、科学的な議論のルールも必要です。川辺川の住民討論会の基本的姿勢は、データ重視、科学的論理、対立ではなく合意形成が目的でした。(市民談義所とそっくりですが、川辺川では、市民が自ら動いてデータを集め、討論の場に持ち込みました。)

 

 市民調査は、行政や研究者が手を出しにくい課題を調べると威力を発揮します。人手が必要な広域調査、長期にわたる観測、突発的な自然現象に対する臨機応変の観測などです。

 

 広域調査の例として木曽三川では、時間を決めて水の濁りを一斉に調べる透視度観測が行なわれました(上流から河口まで64ヶ所)。通常の河川は下流へいくほど水が濁りますが、ダムを建設中の支流では、下流へ行くほど水が澄みました。伊勢・三河湾の貧酸素調査では、約90ヶ所の沿岸の水を一斉に汲み、酸素濃度を調べました。広い伊勢・三河湾ですが、湾の奥を中心に、酸素が不足している沿岸地域がわかりました。諫早では、漁業関係者の協力で、有明海全面に漁船に待機してもらい(図の点をざっと数えたら70隻!)、時間を決めて一斉に海底の水をくんでもらって、水質を測定しました。酸素が少ない海域がどこなのかがわかる地図(海図)が作成されました。

 

 天竜川では、長期にわたる川の水の透視度観測が続いています。2001年から、1日に1回、川の水の濁りを記録するのですが、漁協関係者がほぼ毎日調べていて、2004年からは、年に365日分(うるう年は366日分)のデータがたまっています。上流には佐久間ダムがあり、ダムができると川の水が濁ると言われているのを数値で検証しています。

 

 突発的な自然現象に対する臨機応変の観測としては、熊本の事例を紹介くださいました。上流にダムがない川辺川と上流に市房ダムがある球磨川の合流点では、澄んだ川辺川の水と濁った球磨川の水が流れる写真が撮られました。球磨川はいつも濁っているのかを調べるために、両河川の上流に同じような雨が降った直後に水の濁りを調べる調査を行ないました(4日間徹夜!)。上流にダムがある球磨川の方がダムのない川辺川よりも増水後の濁りがとれにくいことが示されました。

 

 宮崎の綾の沢調査の調査結果も紹介くださいました。月に1度、針葉樹林から流れ出る沢と照葉樹林から流れ出る沢の流量を測ったのですが、夏は照葉樹林より針葉樹林の方が多く、冬は針葉樹林より照葉樹林のほうが多いという結果が出ました。樹種で流出量に差はないというのが定説ですが、照葉樹林の方が夏冬の流出量の差が少ないという結果が得られています。

 

 それでは、こうした調査の結果をどのように生かすのでしょうか。「調査」というと大変なものだという思い込みがあるかもしれませんが、誰にでもできる調査はいくらでもあります。簡単な調査で市民にも環境監視ができ、観測は面白いということがわかります。初めは目の前のことを調べるだけでも、新たな課題が見えてきますし、海→川→里→山へと視点が広がります。行政との対話についても、「科学データを元にした論理的な対話」という、わかったようでよくわからない手法を実感できます。すぐに成果が出ないからと敬遠するのではなく、自分で考え、工夫しながら、出来ることからやってみてください。

 

 日本自然保護協会では、「モニタリング1000」というプロジェクトを実施しています。日本全国1000ヶ所で100年間、環境調査をしていこうという壮大な事業です。参加すると、調査方法を教えてくれて、調査器具などを支給してくれる場合もあります。

 

 ***

 

 村上先生と話をしたメンバーが、後日私に聞きました:「大学の先生という仕事のかたわらで、市民調査をしているのですか?」私:「調査をしたいという市民の相談に乗ってくれるのよ。」その人:「すごいパワーですね。」私:「そうなのよ。」その人:「それをしようというパワーはどこから出るのですか。」私:(私も先生に尋ねたいくらいですが、一応意見として)「行政と市民が対等に対話していくことが必要という使命感が強いのだと思う。」

 その時の会話はそれだけでしたが、あとから、なぜだろうと考え込みました。私自身、市民調査をしている立場なので、すぐにわかっても良さそうなものですが、まだ修行が足りないようです。

 

2010年3月24日 (水)

検討委員会 傍聴報告

一般傍聴はたったの4名でした。平日の昼間に開催されるからでしょうか。2010316日(火)に市民プラザで開催された委員会の内容を簡単にご紹介します。【】内は、私のコメントです。どうしても、自分の関心があることに内容が片寄ります。近いうちに国交省がHPに議事録を載せてくれますので、詳しくはそちらをご覧下さい。

宮崎海岸Publication

 

◆佐藤委員長のあいさつ

砂粒が浴びた光の量を測定した調査結果をお話くださいました。耳川から青島までの多数の地点で採集した砂でした。川から海に出たばかりの砂は大きな値、沿岸漂砂として海にいた時間が永いほど小さな値が出る分析です。耳川付近がいちばん大きな値で、住吉海岸まで直線的に小さくなっていました。小丸川と一ツ瀬川の河口付近だけ、ぴょこんと値が大きくなっているのは、川から出たばかりの新しい砂が多いからだそうです。南向きの流れを反映して、住吉の砂が一番年寄りということになるようです。住吉から大淀川にかけては点が3つくらいありましたが、少しずつ値が大きくなっていました。大淀川から北へも少しは砂が供給されていたということのようです(防波堤ができる前でしょうか。数十年単位の時間ではないと思います。もっと長い時間の話)。大淀川から青島までは、ほぼ横ばいでした。【きれいな傾向が出ていると感心していたので、だからどうなのかという結論を聞き逃しました。砂が南方向に運ばれていることが実証されたということでしょうか。川からの砂の供給については大淀川の貢献がずいぶん大きいと思いました。最近の侵食がどうのこうのという図ではないようです。】

◆市民談義所の開催状況

技術分科会での報告とほぼ同じ内容でした。

◆養浜およびモニタリング調査の結果など

これも、技術分科会での報告と同じでした。養浜が一定の期間は防護効果を発揮していることが確認できたようです。アカウミガメの産卵への配慮もされるそうです。【砂浜が広がることで、地域住民が砂浜に通うようになるかどうかをモニタリングするのも面白いかもしれません。アカウミガメよりも人が来るようになる方が、養浜の効果が大きいと言えないでしょうか。】

◆環境調査の結果など

会場のうしろには、壁一杯の長さの地図で環境調査の結果が掲示されていました。それぞれの調査地点で確認された生物種のリストでした。【なんでも感心するタチなので、すご~い、と思いながら見ていました】。配布された資料には、簡単な解析結果が載っていました。植物については、平成20年から21年にかけて「不安定帯~半安定帯の植生消失」と書かれています。【波が砂を持っていったり、また持ってきたりする緩衝地帯のことだと思いますが、「不安定」という言葉を使うと、「安定」の方がよいという誤った印象を与えるような気がしました。こうした緩衝地帯は植生がなくてもよいのですが、波に削られる頻度が低いとすぐに海岸植物が生えてきます(陸生植物は育たない)。本来は植物が生えなくてもよい部分なので、植生が波に持っていかれても慌てる必要はありません】。

コアジサシの営巣が失敗したことについて、検討委員会の委員の一人が「失敗しても鳥は別の場所を探して飛んでいきますから(大丈夫です)」みたいな発言をしていました。【本当に別の場所で営巣が成功しているのか調べなくて大丈夫なのでしょうか】。

◆台風による被害への対応状況

港のすぐ北にある大きな離岸堤(人工ビーチから見えるもの)の北に、県河川課が管理する離岸堤が8基あります。そのうちの3つが沈下したので、嵩上げ工事が行なわれるようです。

◆宮崎県中部流砂系検討委員会での検討状況

これまでは小丸川についての話しか聞きませんでしたが、「一ツ瀬川水系濁水対策検討委員会」とも連携をとって一ツ瀬川の基礎データの収集もしていくようです。【一ツ瀬川にも検討委員会があるとは知りませんでした。委員会の傍聴が出来るのなら、行ってみたいですね】。

土砂の流れを改善する砂防堰堤の説明もありました(大淀川水系高崎川)。スリットが空いていて、常時は何も止めないけれど増水時に土砂を止めるものです。【上流の山が崩れて立ち木が流れてきたら詰まると思うのですが、そうした場合は、開通のために事後の掃除が行なわれるのでしょうか。大きな土石流も止められるのでしょうか。堰堤が出来るから下流は安全ということになって人が住むようになると、もっと危ないような気もするし、その人達の生活を守るためといって、さらなる工事が必要になるような気もします】。

小丸川水系では、ダムの砂を下流に置く「置砂」が検討されているようです。洪水時に下流へ土砂が押し流されるように、川原に土砂を積みます。【洪水時にいっぺんに流れると、河床が急に上昇して、下流の洪水が悪化しないでしょうか】。

◆地形変化モデルの改良状況など

技術分科会で話し合われた内容でした。

◆浸食対策計画の検討

これも、技術分科会の資料の説明でした。【検討項目の一番重要な部分だと思うのですが、わずかな時間の説明で、専門家ではない委員が理解できたのかなと思いました】。

◆技術分科会への付託事項(案)

緊急的な取り組み(510年程度までに実施すべき取り組み)として、資料をそのまま引用します。

「流砂系の観点から河川、港湾等と連携した養浜など短期的に実施可能な取り組みを進め、宮崎海岸に供給される土砂量を増やすこと、」

「または、漂砂の制御により宮崎海岸から流出する土砂量を減らすこととの組み合わせにより、」

「宮崎海岸の海浜土砂量の回復・維持を目指す」

この文章を読み上げておしまいみたいになりそうでしたが、談義所のコーディネータから、二つ目の文章の冒頭が「または、」では、一つ目の文章の内容と二つ目の文章の内容の二者択一になってしまうので、「必要に応じて、」といった表現のほうが良いのではないかとの指摘がありました。【二つ目の文章は、「漂砂の制御」が構造物の建設を意味します】。

◆その他

・県の港湾課から、人工ビーチの北端に突堤を伸ばす計画が説明されました。【住吉からの砂の流れを止めるためだと思いますが、行政の管轄区が違うということなのか、住吉の浸食対策のような議論がされずに決められていくような気がします。あそこに突堤を伸ばすのが適切なのかどうか、一般市民にはよくわかりません。それがわかる専門家を市民が呼んできて話を聞かなければいけないということでしょうか。伸ばさないほうがよい(伸ばす必要がない)ということなら、計画は変更になるのでしょうか。海岸づくりは地元の人たちの生活を豊かにするためだと思いますが、あそこにマリーナと人工ビーチがあることで生活が豊かになったと感じる地元の人がどれくらいいるのか、調べてみたい気がします。】

・漁港関係の委員から、一ツ瀬川導流堤の沖に砂がたまっていて、それが導流堤の内部に移動するので困っているとの発言がありました。【もともと一ツ瀬川河口は砂が動き回る地形で、導流堤を作ったから、ましになっているはずです。砂浜海岸の漁港を、細島や油津のように浚渫せずにすむ港にするのは無理のような気がしてなりません】。

・次回の検討委員会は秋に予定しているそうです。

 

2010年3月12日 (金)

技術分科会 傍聴報告

住吉海岸の侵食対策のゆくえに大きな影響力を持つ第4回技術分科会が2010310日に開催されました。配布された資料に載っている項目の順番に、簡単に内容をお知らせして、個人的な考えや感想を【括弧】で付け加えます。

 

1.浸食メカニズムの調査・解明

◆浸食要因の度量換算結果:海面上昇と地盤沈下(長期・最近)と飛砂の3つについての計算結果。推定侵食量に対する割合は、海面上昇1.4%、地盤沈下の長期7.6%、最近3.4%、飛砂1.8%。これまでの沈下は考慮するが、最近は沈下がおさまってきているので、将来的な沈下は考慮しない。

◆一ツ瀬川河口の土砂移動:印をつけた砂を河口の右岸と左岸に入れて、どこへ行くかを見る。右岸に投入したものは河口より南側、左岸に投入したものも河口より南側だけで見つかる。導流堤は砂を完全には止めていない。

◆一ツ瀬川河口の岩礁の有無:一ツ瀬川河口左岸の少し沖には浅くなっている場所がある。潜水調査で鉄の棒が1m突き刺さったので、岩礁(岩盤)はなく堆砂の厚さは1m以上と推定。

◆小丸川から宮崎港までの区間における土砂移動:H211月と12月の測量の結果、大炊田海岸から宮崎港の範囲は、養浜実施地点近くをのぞいて、全域でほぼ後退傾向、また、小丸川から宮崎港の全域でバーの沖側への移動を確認。海中養浜投入量11m3のうち7割程度の土砂は残存。広域地形測量からは、小丸川から一ツ瀬川は110m3の侵食、一ツ瀬川からシーガイアICまでは100m3堆積、シーガイアICから宮崎港は90m3堆積。土砂収支図の修正はなし。土砂量の増加の原因は、養浜、河川供給土砂、未測部分の追加、水深10m以深での土砂の移動が考えられる。【昨年秋に浜崖が削られました。砂丘に蓄えられていた砂が浜に供給されたはずなのですが、増加分に入っているのでしょうか。砂丘の上は測量していないと言っていたように記憶していますが、浜崖の下から沖へ測量しているのなら、浜崖が後退した分だけ浜も広がっているので、土砂量が増えることになるのでしょうか?とても不思議。】

◆宮崎海岸における波浪:防波堤の沖で波浪の方向を観測。浜の真正面より少し北から浜に当たる波の頻度がいちばん多い。南向きが卓越。【黒潮が南からやってきて、四国沖で東へ曲がるときに、曲がりきれなかった分が四国の西側で渦をまくので、日向灘の沿岸では潮流は南に流れると教えて下さった人がいました。波浪は潮流とは違い、風の影響を強く受けるのだと思いますが、浅いところも深いところも南向きということでしょうか。】

◆波浪観測の結果:水深20mのネダノ瀬のくぼ地に、波の高さと方向を記録する装置を設置、観測開始(H2223日から)。

◆流況観測の結果:沿岸部浅海域の流れの向きと速さのデータ。満潮と下げ潮時には、南に向う流れ。干潮と上げ潮時には来たに向う流れ。一ツ瀬川導流堤付近は不規則。南に向う流れの方が速い。潮汐1周期の流れの全体的な方向は、一ツ瀬河口を除き南向き。

◆砂れん調査の結果:海底の表面の波型の模様(砂れん)を目視。波長・波高・向きを計測。水深15m付近でも砂れんが存在。地形変化の限界水深(-10から-12m)より深い場所でも海底は波に反応。【つまり、限界水深より深いところでも砂は動いているということです。完全に砂を止める突堤を造りたければ、遥かかなた沖まで伸ばさなければなりません。】

 

2.養浜及びモニタリング調査の報告

H20養浜報告:石崎浜(陸上)、大淀川掘削土砂3m3+三財川掘削土砂3.4m3。動物園裏(陸上)、小丸川掘削土砂1.6m3。動物園沖(海中)、航路浚渫土砂11m3+マリーナ浚渫土砂0.8m3。モニタリングの結果、いずれの土砂も養浜材として利用可能。

H21 養浜実施状況:一ツ瀬川右岸(二ツ立・大炊田海岸)、一ツ瀬川浚渫(砂質)土砂1.2m3予定。石崎浜(陸上)、大淀川掘削土砂0.8m3+三財川掘削土砂1m3。動物園裏(陸上)、小丸川掘削土砂1.3m3。動物園沖(海中)、航路浚渫土砂6m3+マリーナ浚渫土砂1.4m3

 

3.地形変化モデルの改良状況等

【モデルの方向性や、考慮が必要な事項や、モデル構築の基本的な考え方が説明されたのですが、なぜそのように分けて説明するのかがよくわからず、したがって、資料を読んでも、同じようなことを繰り返し書いてあるように見えてしまい、ここに簡潔明瞭に書くのは難しいです。一応、わかった範囲のことを書きますが、足りない部分や理解の間違いがあるかもしれません。間違った記述は指摘していただければ、この記事を随時修正します。関心がある方は、直接、国交省事務所海岸課へお尋ねください。この仕事は、コンサルの方々が中心になっているのだと思いますが、膨大なデータから、私にも多少はわかるくらい噛み砕いた資料を作られる頭脳と労力に敬服します。】

◆地形変化解析の実施方針:河川(一ツ瀬川・小丸川)の流砂系・海域の漂砂系を視野に入れた対策を目指す。汀線の回復・維持だけでなく、海中部を含めた海浜土砂量の回復・維持を目指すために平面的な地形変化を考慮。粒径を考慮した等深線変化モデルを用いる。新たな知見や計算結果を踏まえて随時更新。

◆地形変化モデルの改良点:護岸および離岸堤を考慮。一ツ瀬川河口部は岩礁がないとして初期地形を作成。粒径ごとの平衡勾配を宮崎での調査観測をもとに設定。地盤沈下を考慮(過去の分だけ)。

◆現況地形の再現計算結果:一ツ瀬川河口付近と宮崎港へ堆積。大炊田海岸が侵食。

◆現況放置した場合の将来予測計算結果:【10年後と20年後の予測汀線の図が示されています。大炊田海岸の浜崖と石崎川の汀線の後退だけ数値をお知らせします。】大炊田海岸浜崖、10年後に約30m20年後に約80m後退、石崎川汀線、10年後に10m後退、20年後に25m後退。【分科会の委員からも質問が出ていましたが、年数が経って浜が安定する方向にはいかないモデルのようです。10年で浜崖が30m後退するということは、その10年は年に平均3mずつ、20年で80m後退なら、10年後以降は年に平均5mずつ後退することになります。赤江浜で人工リーフ建設のひきがねになった台風による浜崖後退は、私が測ってまわった限りでは5mくらいでした。とびっきりひどい後退が10年のあいだ毎年続くというのは、モデル改良の余地だらけということを示しているような気がします。】

 

4.浸食対策計画の検討

◆宮崎海岸の現状、課題:【特に目新しい内容はありません。流砂系の観点からの取り組みを説明した絵では、一ツ瀬ダムからの堆砂を下流に移動させる矢印がついていますが、一ツ瀬川については、具体的な話をほとんど聞きません。小丸川でのダム堆砂量と河床低下の水位のグラフは載っています。一ツ瀬川についても、いろいろデータがあるのでしょうか。】

◆対策の基本的な考え方:<中長期的とりくみ>侵食箇所に影響を及ぼすと考えられる山地、河川、海岸部の土砂の流れを円滑にして供給土砂量を増やす。<緊急的とりくみ>短期的に実施可能な養浜などの土砂量増加と、漂砂の制御により宮崎海岸から流出する土砂量を減らす【突堤を造るということでしょうか?】。

◆検討する施設(案)+市民の意見:【実績のある施設等・市民等から提案のあった施設等・関連する市民意見に分けて、14つほどが示されています。そのうち11が、構造物を入れる案です。】

◆評価の視点(案):【防護・環境・利用・経済性・市民の意見の5つに分けて17項目が示されています。】

◆関連する市民意見:【さらに追加で16項目。似たような意見は整理してありますが、整理する人は大変だったろうと思います。市民談義所は、こうした意見を元に談義をする場だと思っているのですが、内部で議論を組み立てていくのは、どんな組織でも難しいものです。こうして出た意見に対する技術分科会での反応というきっかけを作れば、少し進展するかもしれません。】

 

分科会の報告は以上です。

 

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