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2009年8月

2009年8月31日 (月)

勉強会「アメリカの養浜事業」 報告

826日 夜7:00から9:20

講師:奥松秀樹さん

  

昨年、アメリカのフロリダ州の海岸事業を視察なさったときの様子を教えていただきました。

アメリカの東海岸は、岸の沖に、細長い砂州が岸と平行に形成されます。砂浜は、その砂州の海側にあります。昔は、ただの広大な砂州だったのですが、現在では居住地やレジャー施設が密集しています。こうした施設を守るため、あるいは、観光資源としての砂浜が必要な場所で、砂浜を再建する養浜事業が展開されます。

フロリダ半島は、九州がすっぽり入ってしまうくらいの大きさがありますが、半島全体がリゾート地と言ってもよいような場所です。観光資源としての砂浜が消失することは、地元の人にとっては死活問題です。

砂浜が侵食されて、砂浜のすぐ脇に立つ民家などに波が迫った箇所に、そのすぐ沖の海底の砂を岸まで運んで砂浜を再建していくさまを、たくさんのスライドを使って説明してくださいました。沖から砂を持ってくるため、1回養浜しただけでは、また侵食が進みます。数年おきに同じことを繰り返しますが、何度も行なっていると、養浜する間隔が長くなってくるそうです。

侵食対策には費用がかかります。まずは、かかる費用と、砂浜を再建することによる効果を詳細に検討します。構造物を建設する方が費用対効果が高いと判断されれば、構造物建設事業になります。養浜事業のほうが良いということになれば、次に、養浜に適した砂を探すための入念な環境調査が行なわれます。調査項目は多岐にわたります。相当な時間と多額の費用がかかり、多くの関係者との調整が必要のようです。砂をとる場所が決まれば、そこの海上にポンプを備えた浚渫船が停泊し、海水と一緒に砂を掘削してパイプラインで岸近くまで送ります。パイプの先から吐き出された砂で陸地を作り、ブルドーザーが砂をならしていきます。養浜する箇所の広さにもよりますが、1ヵ所の養浜にかかる日数は、数日!だそうです。

アメリカらしい、スケールの大きな事業だと感じました。ですが、砂を掘削する海底が被る影響も甚大ではないかと思われます。沿岸漁業が盛んな日本では、このような侵食対策は難しいだろうということでした。

2009年8月29日 (土)

住吉海岸の波!

砂浜を守る活動を一緒にしているメンバーには、宮崎の波をこよなく愛している人がたくさんいます。

下の写真は、宮崎市立フェニックス動物園の浜で、200936日の夕方に、大きく巻く波の穴をサーフボードで抜けている瞬間をとらえたものです。波に乗っているのは小森隆志さん、撮影したのは佐藤和也さんです。今年の春は、このような波の日が3日か4日あったそうです。

 

Dsc_0402_2

    

太平洋からの力強いうねりが、宮崎の砂浜に当たることで生じる波なのかもしれないと、サーフィンをしたことがない私は頭でだけ考えています。

かろうじて自然の海岸が残るここの砂浜は、侵食の末期的症状を呈していると言われています。でも波に乗る地元の若者は、「まだまだ捨てたものではない」と思っています。侵食対策として、川の土砂を海に入れる養浜事業が行なわれている箇所ですが、この事業が功を奏することを祈らずにはいられません。

  

2009年8月21日 (金)

宇多高明氏の現地踏査報告

7月5日に宇多高明さんをお迎えして、公開勉強会を開催しました。当日の現地視察の結果を宇多さんが写真入りのレポートにまとめてくださいました。

「宮崎海岸の現地踏査(宇多高明)」(PDF 340kb)

自然海岸が護岸だらけの海岸になる時間的な変化を、富田浜から一ツ葉海岸の現状の空間的な変化に置き換えて考察しています。

このレポートを読んで、またいろいろ考えてしまいました。

緩やかな変化だから現代の人の時間尺度では気づきにくいというのが、海岸問題の難しいところかもしれません。砂浜を回復させる対策の効果も、きっと緩やかな変化として表われるべきなのでしょう。だから、すぐに目に見える形の対策(構造物建設など)をとると、永い年月が経って弊害が目立つことになるような気がします。

自然の時間尺度を考慮した対策をとるには、人間の常識を超えた決断がいるのでしょうか。昔の人は、砂浜と海岸林を温存して(人が利用しないようにして)、波に対抗してきましたが、これが人の常識を超えた決断だったようには思えません。よく言われる「早急な対策が必要」というのは、人口が増え、豊かな生活を送ることが目標になり、時間に追われるという時代が生み出した侵食対策の理由とも言えそうです。

  

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