« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »

2008年4月

2008年4月27日 (日)

表浜シンポジウム・エクスカーション参加報告

遠く、愛知県の表浜で開催されたエクスカーション(遠足)とシンポジウムに参加してきました。

1日目(4月26日)は、現地見学でした。浜名湖の東にある中田島砂丘から、渥美半島の先端近くまで、大型バスで移動しました。問題がある要所では砂浜を歩きながら、地元の方々の状況説明、なぜそうなったのか宇田高明さんの解説、砂浜に見られる生き物や住民運動についての清野聡子さんの解説を聞きました。全部を書くと大変なので、4箇所ほどご紹介します。

まず、中田島砂丘では、西風が砂を東へ運び、海岸林が埋もれて困るので(海岸林の東の施設も)、砂を掘って、また西へ戻すという工事をしていました。永遠に続けるつもりなのかなと思いながら、砂丘の上から、埋もれつつある松林を見下ろしました。砂丘は広がっているのに、そこの浜は侵食が進んでいました。

浜名湖の海への出口の今切口には、船が通れるようにと導流堤が作ってありました。満潮時には海水が浜名湖へ流れ込み、砂浜を西へ移動している砂も浜名湖へ流し込みます。干潮になると、浜名湖に入った水が、鉄砲水のようになって流れ出るそうです。導流堤がなければ、砂はそれほど浜名湖に吸い込まれずに西へ移動していくようです。ここから西の砂浜では砂が足りなくなっています。

消波ブロックの堤防を撤去したとニュースになったところも見ました。日本は昔から、「突撃、前進、玉砕はOK。撤退はダメ。」という社会なのだそうです(宇多さん談)。だから、行政に撤去しろという働きかけは逆効果なのだと教えてもらいました。現場を見たら、撤去したのではなく、後ろへ50mほどずらせただけでした。撤去したら、今度は産業廃棄物として捨てる場所を探さなければならないので、後ろへずらして砂丘に埋もれさせたらという働きかけをしたら実現したそうです。ほんの100mほどの区間だけで、その東西にはブロックの列が続いていました。ブロックの背後地にコンクリートの護岸が建設されているところは、後ろに下げようがないように見えました。

赤羽根漁港は、宮崎港と同じような防波堤があるのですが、港は、防波堤の反対側にあります(宮崎で言うと、大淀川の位置)。防波堤が西向きの砂の流れを止めて、砂浜の幅が100mくらい広がったそうです(港は反対側にあるから、浚渫の必要がない)。その代わり、港の対岸にある浜(宮崎で言うと赤江浜の位置)は、砂が流れてこなくなって、離岸堤と護岸のオンパレードでした。

浜を歩いたり、赤羽根漁港の突堤が砂をためこんでいる様子を見たりしながら、宇多さんには宮崎港の問題点を教えてもらい、清野さんと青木伸一さんには海岸調査について相談しました。

2日目のシンポジウムは、以下の5人の講演のあと総合討論でした。

宇多高明さん(土木研究センター) 「海岸線はつながるのか?」

青木伸一さん(豊橋技術科学大学)「遠州灘プロジェクト」

松沢慶将さん(日本ウミガメ協議会)「海岸の生態系」

道家哲平さん(日本自然保護協会)「海岸の生態系サービス」

清野聡子さん(東京大学)「私たちと海岸のつながり」

パネルディスカッション  ~ つながる海岸線 ~

参加者は100人くらいだったでしょうか。宮崎でもシンポジウムを開きたいという思惑があり、参考にさせてもらうための参加でした。宇多さんと清野さんは、海岸問題ではよくお名前を聞きますが、お二人とも、あくまでも専門家で、的確なアドバイスはくれるけれども、砂浜をまもるために実際に行動するのは、地元市民なのだということがわかりました。

目からウロコがいくつも落ちた有意義な2日間でした。海岸工学の専門家、野鳥を見て歩いている人、浜でゴミを拾っている人、県の職員、サーフィン愛好家、日本自然保護協会、地域活性化の仕事をしている人、地元で農業をしている人、各種の市民運動に走り回っている人、いろいろな人が参加していました。老いも若木も元気な人たちでした。宮崎で海岸問題に取り組んでいる人たちも交流できたらと思う場面がたくさんありました。そのうちぜひ、宮崎でもシンポジウムを実現させたいと思います。

2008年4月23日 (水)

第5回 海岸勉強会 参加報告

◆アカウミガメの生態◆  竹下完さん

世界に分布するウミガメの種類の話からはじまり、ウミガメの生態をわかりやすく解説してくださいました。宮崎の砂浜が、アカウミガメにとってどれほど大切なものかがよくわかりました。

宮崎野生動物研究会では、数年前に、宮崎に上陸したアカウミガメ2頭に発信機を取り付け、電波を衛星で受信して追跡する実験をおこなったそうです。1頭は日本列島沿いに関東付近まで行き、そこから太平洋の旅に出たところで電波がとだえたそうです。もう1頭は九州を西へまわり、福岡の沖で電波がとだえたそうです。宮崎には、世界とつながっている海があるというのは頭ではわかっていても、ウミガメの動きから、改めて世界的に貴重な動物を育んでいるところなのだと再認識しました。住吉海岸ではどれくらいの産卵があるのか、砂浜の減少でどれくらい減っているのか、知りたいことがいっぱいです。

◆コアジサシの生態◆  中島義人さん

鳥は美しい動物ですが、素晴らしいコアジサシの写真を見ながらの生態解説でした。草も生えていない砂浜にしか卵を産まないというのが印象的でした。宮崎には砂浜が少なくなって、さぞかし困っていることでしょう。

繁殖に失敗した例も見せてくださいました。放棄された卵や死んだ雛が半分砂に埋もれていました。親が卵を抱くのをやめると、風で砂が吹き寄せられて埋もれてしまうのだそうです。風が吹いてもそれほど砂が積もらないところを繁殖地にすればいいのにと思わせるような写真でした。でも、よく考えてみると、わざわざ砂浜を繁殖地にしているということは、きっとそれなりのメリットがあるはずです。風が吹いて砂が飛んできても大丈夫な方法があるからこそ、砂浜で雛を育てるはずです。親鳥が卵を抱き続けられない何か原因があるのかなと思いながら聞いていました。親鳥が卵を放棄する理由についても、解説がほしかったと思います。

2008年4月18日 (金)

第4回 住民懇談会 参加報告

3月18日に開かれた侵食対策検討委員会の内容説明と、住民の意見を聞くための懇談会でした。市民の参加者はおよそ14名、そのほか、海岸問題に関心のあるコンサルタントの方や行政の関連部局の担当者の方々が26名ほどでした。

検討委員会で用いられた資料を使って、昨年から行われている石崎浜での試験養浜の1年弱の成果が説明されました。また、これも昨年から始まった環境調査の調査結果が説明されました。そのあと、検討委員会の議事録を見ながら、委員のみなさんの発言の説明がありました。

地元住民参加者は相変わらず少なく、自分たちの海岸にあまり関心がないのかなと思わせる状況ですが、中には、港を撤去しなければ問題は解決しないと発言なさる方もいました。一足飛びに撤去は無理かもしれません。あまりにも多くの利害関係が絡んだ問題です。誰かが良ければ別の誰かが害を被るという問題です。すべての人が100%満足ということがあり得ないなら、みんなで少しずつ痛みを分かち合わなければいけないのですから、それぞれの人にそれを納得させるような仕組みが必要ではないでしょうか。

人は、言葉による話し合いで問題解決ができる生物です。とにもかくにも、あらゆる利害関係者が参加した話し合いの場が必要のように感じます。これもきっと、一足飛びには実現しないでしょう。利害関係が異なる人との話し合いは、喧嘩と同じと思っているひとも多いのが現実です。まずは、来年の3月に任期が切れる検討委員会のあと、市民からも委員を推薦できるようにしてほしいと要望を述べておきました。

2008年4月12日 (土)

宮崎県知事と懇談

砂浜の復元をめざすには、宮崎の海岸政策にも働きかける必要を感じ、昨年末から東国原知事との懇談を申し入れていましたが、それが4月12日に実現しました。

午後2時前、動物園裏の住吉海岸で、打ち寄せる波を眺めながらの懇談でした。いろいろ質問を準備していたのですが、全部をお聞きすることはできなかったように感じます。

港の防波堤やマリーナが砂の自然の動きを止めているのではないかと思うので、今後、そういった構造物を変えていくということはあり得るのかと質問もしてみました。マリーナについては、砂の浚渫費用がかさむが、建設費用をまだ返済していて、閉鎖や撤去したとしても、それは返済し続けなければならないので、どちらにしても問題だと発言されていました。

最後に、海岸侵食を考えていくために、行政・研究者・市民が集う海岸検討委員会のようなものを県が設置してほしいという要望書を手渡しました。現在、国交省による宮崎海岸侵食対策検討委員会が開かれているので、県もそのようなシステムを作っていってほしいと思っています。

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »