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2008年3月

2008年3月22日 (土)

「すき工法」勉強会開催

2月の国交省主催の勉強会で、西都市在住の安藝國宏さん(風土修景研究所)が、間伐材を使った砂止めの成果をお話くださいました。夜7時からの開催に間に合わず、興味深いお話を聞けなったメンバーが多数いたので、あらためてネットワークの勉強会にお呼びして、詳しくお話を聞きました。

新潟、鹿児島、延岡、新富町の4箇所で試験設置(すき工法については、2月18日の記事を参照)をした折の有効性をご説明くださり、そのほかにも、砂丘に植物を植えることの有効性などについても教えていただきました。ハマゴウは、砂丘の少し高い場所に、地を這うように広がる木本の海岸植物ですが、その茎を切って、植物のないところに植えるとか、花が咲いた後の種子を集めて、砂浜にまくといった手法です。

すき工法にしても種子散布にしても、それで止める砂があってはじめて有効性が出るのだと思います。ひたすら侵食が進む部分の砂浜を自然の営みで残そうと思うと、建造物のセットバック(背後地への移動)しかないような気がします。それでも、市民活動として何かしたいということなら、海岸植物の種子を散布するのも、よいかもしれません。

2008年3月19日 (水)

第4回 海岸勉強会 参加報告

『海浜の土砂移動メカニズムについて』

海浜土砂は常に移動しているそうです。

健全な砂浜は、砂丘から波打ち際に向かってゆるやかな斜面になっています。海中は見えないので、この傾斜が沖まで続いているように感じますが、波で持っていかれた砂は沿岸近くの海中に堆積して、「バー」を形成します。穏やかな海岸ではバーが形成されませんが、宮崎の砂浜は、もともとバーのある海岸です。沖から打ち寄せる波は、このバーのところで砕けるので(砕波)、サーフィンにうってつけの波が立ちます。

波が来る方向は、風が吹く方向で決まります。そして、波の方向によって、砂は浜と平行に動きます(沿岸漂砂)。このような砂浜に突堤、防波堤、導流堤、離岸堤などの構造物を作ると、その片側に砂がたまります。宮崎の海岸は、南向きに砂が動く頻度が高いので、宮崎港の防波堤の北側に、港を埋めるような形で砂がたまるわけです。

ヘッドランドへの砂のつき方についても説明がありました。十分な土砂供給があるとき(ヘッドランドを作ると自然に砂は来なくなるので、養浜をしっかりするという意味)には、ヘッド部の堤長が長いほど(離岸堤の間隔を少なくすると考えるとわかりやすい)、あるいは設置間隔が短いほど、また離岸距離が大きいほど(柄の部分を長くして沖へ突き出すほど)、ヘッドランドの間にできる砂浜の幅は大きくなるそうです。

また、浜から沖へと「くの字」に突き出した構造物の周辺では波の向きなどが変化して、くの字の外側の砂浜が侵食されて、その砂がくの字の内側にたまることがわかっているそうです。宮崎港の防波堤のような構造物の場合、その外側の一ツ葉海岸が侵食されて、砂が宮崎港にたまるということです。

宮崎港と防波堤を作るときに、このようなメカニズムがすでにわかっていたのか(一ツ葉海岸が侵食されるとわかっていて宮崎港を建設したのか)を質問してみました。わかっていたようです。一ツ葉海岸には離岸堤が並び、かつての美しい砂浜の面影もありませんが、港を造るときには、すでに離岸堤も造ることが計画されていたということです。

次回の勉強会は、4月23日の予定です。場所は住吉公民館。内容は、生態系のことだそうです。4月は人事異動のあとの引継ぎなどで行政担当者が忙しいので、鳥やウミガメ関係の話が中心になるようです。

日本自然保護協会を案内しました

 3年前から、『宮崎の海岸』という小さな海岸情報誌を発行しているのですが、これまで毎号、日本自然保護協会にも送り、いろいろアドバイスをいただいてきました。3月19日に、保護プロジェクト部の大野正人さんが宮崎へ来てくださり、海岸と一ツ瀬ダムへご案内しました。ご案内した場所を順番に以下に列挙します。この日は夜に、国交省主催の海岸勉強会もあったので、一緒に参加しました。

・ 赤江浜 人工リーフと傾斜護岸

・ 一ツ瀬川をさかのぼり、一ツ瀬ダムと杉安ダム

・ 小丸川 下流域の河川の状況

・ 小丸川河口 右岸

・ 堀之内海岸 礫が混じる自然の砂浜海岸

・ 富田浜 砂州と松林を守る護岸と、自然砂丘のある砂浜海岸

・ 一ツ瀬川河口 右岸 導流堤から南の侵食が進む部分

・ 石崎浜 新しく出来た護岸と石崎川河口近くの養浜現場

・ 住吉海岸 動物園裏 侵食が進む砂浜海岸

・ 一ツ葉海岸 有料道路PAの南の傾斜護岸

 1日かけて車で移動しながら、いろいろお話し、いろいろ教えてもらいました。日本自然保護協会とは、今後どのように連絡をとっていくか未定ですが、視察に来ていただけただけでも心強いと感じました。

 

2008年3月18日 (火)

第3回宮崎海岸検討委員会 傍聴報告

市民の傍聴ができるのですが、今回の傍聴は、たったの6人でした。年末に侵食対策の新規事業が決定したので、もうヘッドランドができてしまうと、みなさんあきらめてしまったのでしょうか。その予算で、砂浜復元の方向へ対策を向けさせる絶好の機会でもあると思います。ですが、市民の声が大きくなければ、そういう方向には対策は向きません。

主な議事は、養浜工法の具体的な話でした。石崎浜には、2回にわたって試験養浜がされていますが、そのモニタリングの成果が、海岸の空撮写真や動画を使って説明されました。大淀川から運んだ土砂なので、有機物やシルトも多く、沿岸海域が濁っているのがよくわかりました。

港を浚渫した砂を住吉海岸の沖に持ってくる養浜についても、説明がありました。船で運ぶため、岸には置けないので、海中のバー付近に投入しているそうです。バーの陸側は、ヒラメなどの産卵地なので、漁業関係の委員からは、投入場所が不適切だと指摘がありました。

2月5日の懇談会で出た住民の意見も報告されましたが、1ヶ月以上経っているのに議事録はなく、スライド2枚に10個ほどの意見が簡単に書かれているだけでした。

養浜について、委員からいくつか意見が出たあと、副委員長の神田先生が、養浜をどれくらいの期間すると想定しているのか、川からの土砂で自然に砂浜が形成されるようにするといった抜本的な対策をとれば、養浜しなくてもすむのではないかと発言なさいました。それに触発されたように、住吉海岸をどのように残していくのかという海岸のイメージが決まっていない(将来的な絵がない)という意見、侵食されても有料道路をかさ上げするなどして護岸を造らずに自然の浜を残すという方向が過去にあったはずだという意見、侵食は護岸の脇から進むので、すでにある護岸を撤去したほうがよいのではないかという意見が出されました。

今回の委員会の時間内では議論ができないということで、次回の検討委員会(8月頃の予定)で討議することになりました。2時間半だけでは、とても議論が深まるとは思えない内容です。大阪の淀川流域委員会では、ダムを建設するかどうかということが議論されていますが、委員の数は以前は50数名(今は28名)、傍聴する市民も含めると数百人規模の会議が行われているそうです。時間も、4月9日に行われる委員会は朝10時から夜8時までだとか。10人の市民が発言(1人3分)する時間もとってあるそうです。対象地域の広さも、人口密度も、関心がある研究者の数も桁違いに多いはずですので、宮崎でもそうしてほしいとは単純には言えませんが、もう少し海岸についての議論があってもいいのではないかと思います。

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