2009年2月16日 (月)

宮崎の海岸シンポジウム報告

 

2月1日の「宮崎の海岸シンポジウム」には、砂浜の侵食問題に関心がある、およそ150名の方々がお集まりくださいました。ありがとうございました。

5名の講演者には約20分の講演をお願いしました。宮崎の海岸のなりたちや、侵食の原因、日本の各地の事例・対策、海岸利用者の思い、住吉海岸で行なわれている侵食対策。内容は多岐にわたりましたが、さまざまな立場の考え方を聴くことができました。それぞれの講演のあとに15分ほどの質疑応答の時間をもうけました。質問や意見など、参加者も交えた活発な意見交換が行なわれました。講演内容や質疑応答の詳細を記録として残したいと検討中ですが、とりあえず、シンポジウム当日のスライドを公開いたします。

http://teruhanomori.com/sunahama2009/sinpo2009.index.html

  

参加者には、下記の資料を配布いたしました。

・ 清野聡子さんの参考資料(PDF 108KB)

・ 日本自然保護協会の『海岸植物群落からみた海岸白書』(リンク)

・ 国土交通省宮崎海岸出張所の「宮崎海岸についてのご意見投稿用紙」

・ ひむか砂浜復元ネットワークの『宮崎の砂浜はとりもどせるか』(PDF 941KB)

  

2月18日(水)には、夜7:00から住吉公民館で、市民と行政の海岸勉強会(案内PDF 94.8KB) が開催されます。 どなたでもご参加いただけますので、行政に市民の意見を伝えていくきっかけにしていただけたらと思います。

 

2009年1月30日 (金)

宮崎の海岸シンポジウム

 

 一昨年、住吉海岸にヘッドランド建設の計画が発表されてから、コンクリート構造物によらない砂浜保全が望ましいのか、可能なのかについて、たくさんの方のお話しを聞き、自分たちで調べもしてきました。まだ結論は出ていませんが、地元の人たち(住民も業者も行政も研究者も含む)が上手に対話していくことがまず必要なのではないかと感じられます。砂浜のしくみを知り、宮崎の海岸の将来をみんなで考えていくために、下記のようなシンポジウムを開催いたします。たくさんの方のご参加をお待ちしています。

 

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「宮崎の海岸シンポジウム」
~住吉海岸の侵食問題を考える~

*とき 2009年2月1日(日) 午後1時から4時半(開場12:30)
*ところ 宮崎市市民プラザ4階 ギャラリー

参加費 : 500円
定員  : 先着300名

侵食が進んでいると言われる宮崎市の住吉・佐土原海岸。本当に砂が消失しているのか。松林を増やすのは適切な対策なのか。生活を守るための侵食対策に、市民はどのように関わることができるのか。
いまわかっていること、それぞれの立場で伝えたいことをまずは聞いてみませんか。そして一緒に、宮崎の将来の砂浜のあり方を考えてみませんか。

プログラム
*「海岸侵食と宮崎住吉海岸」
        佐藤愼司(東京大学)
*「植林と砂浜侵食の関係」
        三浦知之 (宮崎大学)
*「一ツ葉海岸のサーフスポットの昔と今」 
        上村貴志 (宮崎県サーフィン連盟 元理事長)
*「宮崎海岸の浸食対策の進め方」
        杉山光徳(国交省宮崎河川国道事務所)
*「海岸侵食対策と地域住民の関わり方」
        清野聡子 (東京大学)

主催:ひむかの砂浜復元ネットワーク
協力:住吉海岸を守る会
助成:宮崎市市民活動支援補助事業・日本自然保護協会PNファンド

連絡先
E-mail: lovejunlin@hotmail.com
Phone:  090-6638-0022

シンポジウム案内のポスター
http://www.tamaki.asia/09/090201-01.pdf

 

 

2009年1月29日 (木)

第1回 技術分科会傍聴

2009年1月29日(木) 9:00~12:00 宮崎市AZMホール別館

国交省主催の宮崎海岸侵食対策検討委員会は、技術分科会と環境分科会を設置することが、前回(2008年8月)の委員会で決まりました。そのうちの第1回技術分科会が開催されました。構造物を造ることを決定するかもしれない会議というので、興味しんしんで出かけました。傍聴席40席に、傍聴者は23名でした。半分以上は、コンサルタントか、行政関係者のように感じました。

開会のあいさつに続いて、24日の海岸勉強会で説明された侵食対策事業の進め方と、「宮崎海岸トライアングル」という新体制についての説明が、オブザーバーである吉武哲信さんからありました。

(宮崎海岸トライアングルについては、24日の以下の資料を参照)

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/benkyo/pdf/info1301.pdf

そのあと、規約の説明と承認があり、委員の紹介がありました。分科会長は村上啓介さんが選ばれました。

委員

村上啓介 宮崎大学工学部土木環境工学科(水工学・海岸工学・防災技術)

佐藤慎司 東京大学工学系研究科社会基盤学(海岸工学・海岸保全)

諏訪義雄 国土交通省国土技術政策総合研究所(海岸侵食対策)

西隆一郎 鹿児島大学水産学部(海岸環境工学・水産海洋学)

松田博貴 熊本大学大学院自然科学研究科(堆積学)

オブザーバー

吉武哲信 宮崎大学工学部土木環境工学科(都市計画・市民コーディネータ)

そして、「侵食対策検討のための前提条件の整理」がありました。2004年2月から2007年3月にかけて6回行なわれた県の「住吉海岸技術検討委員会」の検討項目・協議項目の概要の一覧を見ながらの説明でした。

当時の検討委員会の検討事項の詳細なデータ冊子があり、委員には配られましたが、傍聴者には配布はありませんでした。非公開ではないということなので、後日、国交省の宮崎海岸のHPに掲載されるということです。佐土原の海岸出張所に行くと閲覧ができるそうです。

そういった資料をもとに、土砂移動メカニズムの推定や土砂収支の推定についての、調査状況・データ、算出根拠等の説明があり、初めての委員からは、さまざまな質問や意見が出ました。最後に、地形変化モデルについての説明がありました。これも、2年前の県の検討委員会の資料を元に議論をしようとしたのですが、示されているシミュレーションモデルの検討経緯が、構造物をつくらない場合のものなのか、ヘッドランドを想定したものなのかが明確でないという指摘があり、時間が足りなかったこともあり、議論は次回へ持ち越しになりました。資料に出ていたのは、私には、ヘッドランドを想定したモデルに見えました。

最後に、試験養浜の状況報告があり、閉会になりました。

内容的には、土砂量の計算などについては少々難しいやりとりが委員の間でありましたが、一ツ瀬川から港にかけての砂は、なくなっているのではなく、港の防波堤のために港に移動しているだけということのようです。港から住吉へ戻せばよいと言うことでしょ?と言った委員もいました。

私の個人的な感想としては、あの分科会で、「構造物によらない侵食対策」というのを議論するのは難しいかもしれないということでした。陸側(海岸林や有料道路)に砂がトラップされているかもしれないことには、一切触れられませんでした。海岸林内の砂の堆積について詳細なデータがなくて議論できないなら、砂の動きについて詳細に調べてきたのと同じように、データをとるところから始めてほしいです。

せっかく傍聴ができる会議なので、市民のみなさんがもっとたくさんいらして、ご自身で、会議の雰囲気を感じたり、委員の考えを聞いたりするとよいのにと、ちょっと残念でした。行政は、傍聴できるということを進んで宣伝はしないので、これは市民側がしないといけないのかなとも思いました。海岸侵食についてそれほど関心が高くないということなのかもしれません。傍聴して面白かっただけに、やっぱり、少々残念です。

2009年1月25日 (日)

第13回 海岸勉強会報告

2009年1月24日(土) 13:00~16:00

・石崎浜 養浜工事現場見学

・住吉公民館「宮崎海岸事業の今後の進め方について」 参加45名くらい

 

養浜現場見学

 石崎川の右岸河口付近に盛ってあった土砂を、ブルドーザーで波打ち際へ押し出していました。大淀川を浚渫して持ってきた土砂10万立方メートルのうち、昨年までにすでに4万立方メートルは養浜に使用しました。残り6万立方メートルのうち3万立方メートルを、今年度の事業で押し出すそうです。この土砂の山の背後には、三財川の河床の土砂1万立方メートルが積まれていますが、これもいずれ養浜に使うそうです。

Imgp2977

 川の土砂は有機物や粘土質を含みます。波に持っていかれると水は茶色に濁ります。この濁りは、石崎浜から南に流れ、レストハウスあたりまでに達しているそうです。

 現在、レストハウス近辺の傾斜護岸の浜では、砂浜が少し広がりました。護岸の下にある消波ブロックが埋まって見えなくなり、護岸の下でも歩けるようになっています。昨年と一昨年の養浜の効果ではないかと、国交省宮崎河川国道事務所海岸課の担当の方にお聞きしましたが、養浜した量よりもはるかにたくさんの砂がついているということでした。これまでに養浜した砂の動きをモニターしているのか尋ねてみました。残念ながら、調べていないそうです。「試験」養浜だったはずなので、調べておけば、面白かったのにと思いました。

Imgp2949

 

 

海岸勉強会の今後の進め方

 これまで、宮崎海岸侵食対策は、学識者5名を含む「検討委員会」、市民の声を聞くための「住民懇談会」、市民と行政の情報交換の場である「海岸勉強会」(議論はできない)に分かれていました。ところが、「海岸勉強会」の参加人数が増え、意見交換が活発になるにつれて、「懇談会」と「勉強会」の位置づけがあいまいになり、2月からは、両者を統一して「市民談義所」と名称を変更し、意見や議論ができる場と位置づけるようです。市民連携コーディネータは、宮崎大学の吉武哲信さん。談義所で議論された内容を検討委員会の技術分科会に伝えてくださいます。

配布資料

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/benkyo/pdf/info1301.pdf

その他のお知らせ

◆検討委員会の第1回技術分科会

2009年1月29日(木) 9時~12時に、JA AZMホール別館202研修室

で開催されます。一般傍聴ができます。

委員案

村上 准教授(宮崎大学)(海岸工学・水工学・防災工学)

佐藤 教授(東京大学)(海岸工学・海岸保全)

松田 教授(熊本大学)(堆積学)

西 准教授(鹿児島大学)(海岸環境工学・水産海洋学)

諏訪 海岸研究室長(国交省国土技術総合研究所)(海岸侵食対策)

コーディネータ

吉武 准教授(宮崎大学)(都市計画)

 

◆宮崎港で浚渫が行なわれます

期間:2009年1月(末)から3月

浚渫予定量:11万立方メートル弱

投棄場所:住吉海岸沖に海中養浜

2008年12月18日 (木)

三浦先生を囲んでの勉強会

2008年12月7日(日)   市民プラザ会議室

「宮崎の海岸侵食問題」

参加者 10名

 宮崎平野は隆起性の海岸平野です。ところが、宮崎県環境白書(2007)を見ると、一ツ瀬川と大淀川の中間地帯では、ここ22年間で地盤が10cmから18cm沈下したことが記されています。地盤沈下の原因として考えられるのは、地下水の採取です。この地域では、浅いところから一般的な地下水が汲み上げられて養鰻(ようまん、ウナギの養殖)に使われ、深いところ(地下1000mくらい)から古代の水が汲み上げられてヨードとメタンの採取に使われています。

 また、河川や岩礁域からの土砂供給がなくなったことも災いしています。河川のダムが水だけでなく土砂もとめてしまい、海岸の沿岸の構造物は、浜に沿って流れる砂の動きを止めてしまいました。

 砂を移動させるのは、川の水や沿岸の潮の流れだけではありません。砂浜に打ち上げられた砂は、風で内陸へも飛ばされます。健全な砂浜では、海岸植物が砂を受け止め、砂丘をつくります。台風などの波が高い時には、この砂丘の砂が波に持っていかれて海底に移動し、波がおだやかになるとまた打ち上げられて砂浜を広げます。鳥取県では、砂浜侵食について、「構造物の設置を要しない対応策」を本質的な対策と位置づけ、「構造物の設置による対応策」は、周辺に与える影響を考慮して必要最小限にするとしています。

http://enshu.tutrp.tut.ac.jp/contents/result/dl_files/yasumoto_20070114.pdf#

 

 宮崎の住吉付近でも砂浜侵食が進みますが、幸運なことに、陸の背後地は広い保安林です。海岸林を減らしてでも砂丘を復活させるのが、砂浜復元や、今後心配される海面上昇への対応の鍵となるのではないかというお話でした。

Imgp2834

 

 

2008年12月17日 (水)

住吉海岸侵食対策問題のその後

 

住吉海岸の侵食対策については、市民と行政のやりとりが続いています。ブログに報告を載せる余裕がなくなり、長らく沈黙してしまい、申し訳ありませんでした。

まずは、その後の経緯を以下に列挙します。宮崎河川国道事務所海岸課が、議事録を作ってくださっているものはリンクを貼ります。

 

2008年6月4日 第6回海岸勉強会(参加者45名)

 宮崎海岸の事業予定について

     (宮崎河川国道事務所 杉山海岸課長)

 県施工(海岸事業)・離岸堤について

     (宮崎県河川課 明比副主幹)

 

2008年7月9日 第7回海岸勉強会(参加者50名)

 港湾および宮崎港の役割と浚渫について

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/benkyo/pdf/info07.pdf

 

2008年8月7日 第8回海岸勉強会(参加者48名)

 離岸堤および港湾についての質疑応答の続き

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/benkyo/pdf/info08.pdf

 

2008年8月20日 第5回宮崎海岸懇談会(参加者49名)

 今年度の試験養浜についての説明・質疑応答

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/conference/pdf/05/gijiyoushi_05.pdf

 

2008年8月28日 第4回宮崎海岸侵食対策検討委員会

 今年度の試験養浜について

 配布資料

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/shinsyoku/pdf/04/02.pdf

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/shinsyoku/pdf/04/03.pdf

 議事録

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/shinsyoku/pdf/04/04.pdf

 

2008年9月9日 第9回海岸勉強会(参加者55名)

 海岸植生、保安林について (宮崎県環境森林部自然環境課)

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/benkyo/pdf/info09.pdf

 

2008年10月12日 第10回海岸勉強会(参加者45名)

 現地を歩きながらの質疑・懇談 

     (石崎浜荘からレストハウス)

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/benkyo/pdf/info10.pdf

 

2008年11月6日 第11回海岸勉強会(参加者47名)

 防潮林についての続き(県自然環境課は欠席)

 宮崎平野と住吉地区 (甲斐亮典氏)

  (宮崎平野の地形、前浜と砂浜が伝えている意味、海岸林の変遷など)

http://www.qsr.mlit.go.jp/miyazaki/html/kasen/sskondan/benkyo/pdf/info11.pdf

 

2008年12月16日 第12回海岸勉強会(参加者58名)

 サーファーから見た砂浜(住吉海岸を守る会 川崎)

 

2008年9月30日 (火)

宮崎港の浚渫土砂量

「宮崎県一ツ葉海岸の侵食とアカウミガメの保護」(環境システム研究論文集Vol.33 p. 63-71)という2005年の論文を読むと、航空写真から砂浜の後退具合を推定して、1990年から2000年までに消失した砂の量は410万m3と計算していました。この膨大な量の砂はいったいどこへ消失してしまったのでしょう?

一ツ葉海岸は、ヘッドランド建設計画がある住吉海岸の南にあり、30年ほど前は広い広い砂浜でしたが、現在は傾斜護岸に波が打ち寄せるコンクリートの崖になっています。その南の大淀川の河口には、1986年に砂州を掘削して建設した宮崎港と海浜リゾート施設があります。入港した船が南東方向からの波で揺れないように、1.4kmの防波堤が沖へ伸び、その防波堤に守られるようにヨット停泊用のマリーナがあります。いくら浚渫しても航路が埋まり、航行禁止が続いていることで有名なマリーナです。

住吉海岸の侵食が問題になって試験養浜が始まった昨年から、このマリーナの浚渫土砂は住吉海岸の岸近くに置かれています(第3回宮崎海岸侵食対策検討委員会での説明)。では、1986年の砂州を掘削以来、宮崎港の浚渫で生じた土砂はどれくらいあり、どこへ持っていかれたのでしょうか。いろいろな説がとびかっていたので、宮崎県 県土整備部港湾課に教えてもらいに行きました。

事業年 目的 事業主体 浚渫量(m3
S61~S62 砂州開削 国直轄 1,194,000
S61~H2 航路泊地 県単 2,648,000
S63~H1 航路泊地 県単 483,000
H3~H5 航路泊地 県単 358,000
H4~H6 航路泊地 県単 377,000
H4~H7 航路泊地 県単 563,000
H4~H9 航路泊地 国直轄 1,615,000
H8~H10 航路泊地 県単 5,000
H8~H10 航路泊地 県単 592,000
H5~H7 マリーナ泊地 県単 161,000
H8 マリーナ泊地 県単 19,000
H11~H19 マリーナ泊地 県単 96,000

事業数は合計12、浚渫(掘削)土砂量の合計は、22年間で811万m3でした。上記論文は10年で410万m3でしたから、22年なら約倍で計算が合います。一ツ葉海岸の砂は、宮崎港とマリーナを浚渫したために消失したと考えてもよいかもしれません。

浚渫(掘削)土砂のほとんどは、宮崎港建設のための埋め立てと、大淀川の右岸河口近くから沖へ延長した空港滑走路埋め立てに利用されたそうです。「ほとんど」とはどれくらいなのかと尋ねてみたのですが、わからないという返事でした。

常に流れ動く砂をとめる海岸構造物を建設して、たまった砂をその構造物建設に利用する。周辺の砂浜侵食さえなければ、建設経費節約のためのアイディア賞ものだったかもしれません。でも残念ながら、宮崎県が世界に誇る広大な砂浜を失いつつあります。ほんとうに残念です。

2008年5月26日 (月)

議員との海岸ウォッチング

5月24日(土)、時折、小雨が降る中、外山イツキ参議院議員、井上紀代子宮崎県議、郡司敏計宮崎市議、後藤正昭宮崎市議、徳重淳一宮崎市議と、一ツ葉・住吉海岸ウォッチングをして、意見交換をしました。

まず最初にシェラトンホテルの北側の海岸へ行きました。一ツ葉有料道路の南側の傾斜護岸が続くところです。港の防波堤が間近に見え、離岸堤も臨むことができます。干潮の時間帯でしたが、波は傾斜護岸の根元まで打ち寄せ、砂浜は全くありませんでした。

ここで、住吉海岸(一ツ葉海岸)の侵食の経緯、ヘッドランドが計画されていること、沖へ300m突堤を突き出しても水深10m(漂砂範囲)のところに達しないので砂は逃げていくことを説明し、そのような効果が疑わしいものに294億円をかけることについての疑問を話しました。

すでにコンクリートの構造物で埋めつくされてしまった海岸に住民は愛着がなくなり、海岸を見にも来なくなっていること、経済が発展するという時代の流れでしょうがないのかもしれないけれど、宮崎の良いところを捨てているようでもったいないと思うとも話しました。

次に動物園裏へ行きました。傾斜護岸の北端が見えます。護岸が切れたところで侵食が激しく、そこに新たに垂直護岸が北へ伸びたことを話しました。干潮だったので砂浜は結構広く、波打ち際まで歩き、アカウミガメが産卵のために上陸した足跡を見ながら、浜崖が後退してきている現状を説明しました。

みなさんといろいろ話しましたが、とにかく声を上げていかなければいけないと言われました。今回は民主党の議員の方ばかりでしたが、党派に関係なく海岸侵食問題は宮崎の重要な課題なのだから、みなさん無関心ではいられないはずとも教えてもらいました。

25日の宮日新聞に記事が載りました。私が言っていることもいつもと同じですし、当日言っていないことまで書いてありますが、宮崎の海岸の現状を世に知らせていくことは大事なことかもしれないと思いながら読みました。

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=8168&catid=74&blogid=13

2008年4月27日 (日)

表浜シンポジウム・エクスカーション参加報告

遠く、愛知県の表浜で開催されたエクスカーション(遠足)とシンポジウムに参加してきました。

1日目(4月26日)は、現地見学でした。浜名湖の東にある中田島砂丘から、渥美半島の先端近くまで、大型バスで移動しました。問題がある要所では砂浜を歩きながら、地元の方々の状況説明、なぜそうなったのか宇田高明さんの解説、砂浜に見られる生き物や住民運動についての清野聡子さんの解説を聞きました。全部を書くと大変なので、4箇所ほどご紹介します。

まず、中田島砂丘では、西風が砂を東へ運び、海岸林が埋もれて困るので(海岸林の東の施設も)、砂を掘って、また西へ戻すという工事をしていました。永遠に続けるつもりなのかなと思いながら、砂丘の上から、埋もれつつある松林を見下ろしました。砂丘は広がっているのに、そこの浜は侵食が進んでいました。

浜名湖の海への出口の今切口には、船が通れるようにと導流堤が作ってありました。満潮時には海水が浜名湖へ流れ込み、砂浜を西へ移動している砂も浜名湖へ流し込みます。干潮になると、浜名湖に入った水が、鉄砲水のようになって流れ出るそうです。導流堤がなければ、砂はそれほど浜名湖に吸い込まれずに西へ移動していくようです。ここから西の砂浜では砂が足りなくなっています。

消波ブロックの堤防を撤去したとニュースになったところも見ました。日本は昔から、「突撃、前進、玉砕はOK。撤退はダメ。」という社会なのだそうです(宇多さん談)。だから、行政に撤去しろという働きかけは逆効果なのだと教えてもらいました。現場を見たら、撤去したのではなく、後ろへ50mほどずらせただけでした。撤去したら、今度は産業廃棄物として捨てる場所を探さなければならないので、後ろへずらして砂丘に埋もれさせたらという働きかけをしたら実現したそうです。ほんの100mほどの区間だけで、その東西にはブロックの列が続いていました。ブロックの背後地にコンクリートの護岸が建設されているところは、後ろに下げようがないように見えました。

赤羽根漁港は、宮崎港と同じような防波堤があるのですが、港は、防波堤の反対側にあります(宮崎で言うと、大淀川の位置)。防波堤が西向きの砂の流れを止めて、砂浜の幅が100mくらい広がったそうです(港は反対側にあるから、浚渫の必要がない)。その代わり、港の対岸にある浜(宮崎で言うと赤江浜の位置)は、砂が流れてこなくなって、離岸堤と護岸のオンパレードでした。

浜を歩いたり、赤羽根漁港の突堤が砂をためこんでいる様子を見たりしながら、宇多さんには宮崎港の問題点を教えてもらい、清野さんと青木伸一さんには海岸調査について相談しました。

2日目のシンポジウムは、以下の5人の講演のあと総合討論でした。

宇多高明さん(土木研究センター) 「海岸線はつながるのか?」

青木伸一さん(豊橋技術科学大学)「遠州灘プロジェクト」

松沢慶将さん(日本ウミガメ協議会)「海岸の生態系」

道家哲平さん(日本自然保護協会)「海岸の生態系サービス」

清野聡子さん(東京大学)「私たちと海岸のつながり」

パネルディスカッション  ~ つながる海岸線 ~

参加者は100人くらいだったでしょうか。宮崎でもシンポジウムを開きたいという思惑があり、参考にさせてもらうための参加でした。宇多さんと清野さんは、海岸問題ではよくお名前を聞きますが、お二人とも、あくまでも専門家で、的確なアドバイスはくれるけれども、砂浜をまもるために実際に行動するのは、地元市民なのだということがわかりました。

目からウロコがいくつも落ちた有意義な2日間でした。海岸工学の専門家、野鳥を見て歩いている人、浜でゴミを拾っている人、県の職員、サーフィン愛好家、日本自然保護協会、地域活性化の仕事をしている人、地元で農業をしている人、各種の市民運動に走り回っている人、いろいろな人が参加していました。老いも若木も元気な人たちでした。宮崎で海岸問題に取り組んでいる人たちも交流できたらと思う場面がたくさんありました。そのうちぜひ、宮崎でもシンポジウムを実現させたいと思います。

2008年4月23日 (水)

第5回 海岸勉強会 参加報告

◆アカウミガメの生態◆  竹下完さん

世界に分布するウミガメの種類の話からはじまり、ウミガメの生態をわかりやすく解説してくださいました。宮崎の砂浜が、アカウミガメにとってどれほど大切なものかがよくわかりました。

宮崎野生動物研究会では、数年前に、宮崎に上陸したアカウミガメ2頭に発信機を取り付け、電波を衛星で受信して追跡する実験をおこなったそうです。1頭は日本列島沿いに関東付近まで行き、そこから太平洋の旅に出たところで電波がとだえたそうです。もう1頭は九州を西へまわり、福岡の沖で電波がとだえたそうです。宮崎には、世界とつながっている海があるというのは頭ではわかっていても、ウミガメの動きから、改めて世界的に貴重な動物を育んでいるところなのだと再認識しました。住吉海岸ではどれくらいの産卵があるのか、砂浜の減少でどれくらい減っているのか、知りたいことがいっぱいです。

◆コアジサシの生態◆  中島義人さん

鳥は美しい動物ですが、素晴らしいコアジサシの写真を見ながらの生態解説でした。草も生えていない砂浜にしか卵を産まないというのが印象的でした。宮崎には砂浜が少なくなって、さぞかし困っていることでしょう。

繁殖に失敗した例も見せてくださいました。放棄された卵や死んだ雛が半分砂に埋もれていました。親が卵を抱くのをやめると、風で砂が吹き寄せられて埋もれてしまうのだそうです。風が吹いてもそれほど砂が積もらないところを繁殖地にすればいいのにと思わせるような写真でした。でも、よく考えてみると、わざわざ砂浜を繁殖地にしているということは、きっとそれなりのメリットがあるはずです。風が吹いて砂が飛んできても大丈夫な方法があるからこそ、砂浜で雛を育てるはずです。親鳥が卵を抱き続けられない何か原因があるのかなと思いながら聞いていました。親鳥が卵を放棄する理由についても、解説がほしかったと思います。

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